女性の当選者は1割未満。衆院選でわかった日本政治の“後退ぶり” | ニコニコニュース
衆議院の女性比率はさらに後退。9.7%の数字に「腰を据えた本気の改革が必要」(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 衆議院の女性比率はさらに後退。9.7%の数字に「腰を据えた本気の改革が必要」(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース Yahoo!ニュース (出典:Yahoo!ニュース) |
2021年10月31日に投開票された第49回衆議院議員選挙は、自民党が単独で絶対安定多数となる261議席を確保する結果に終わりました。そして、立憲民主党などが「ジェンダー平等」を掲げましたが、有権者の心に響く政策にはならなかったようです。
男女格差を解消する目的の法律を成立
「隗(かい)より始めよ」の故事にならい、国会では男女の候補者数をできる限り均等にするよう政党などに求める「政治分野の男女共同参画推進法」を2018年に成立させています。今回の衆院選は、同法が成立して初めての衆議院選挙になりました。果たして同法の効果はあったのでしょうか。「男女共同参画推進法」は男女格差を解消する目的の法律です。男女格差の是正に取り組むことは好ましいことですが、社会は少しずつしか前に進みません。一気に社会を、人々の意識を変えることはできません。そんな魔法はないでしょう。
とはいえ、このまま何もしなければ男女格差は解消されません。有権者の一票が当選者を決めるため、当選者の男女バランス取ることは容易ではありません。各政党が候補者を男女同数に調整することは、さほど難しくありません。
他党の女性候補の落選を残念がったら…
しかし、政党によっては現職を優先するという方針があります。以前から男性議員が多い永田町では、すぐに候補者も男女同数にはできない事情があります。選挙後、こうした男女格差に異を唱えたのが佐藤古都(こと)さんです。佐藤さんは日本維新の会から都議選などに出馬した経験がありますが、衆院選には立候補していません。今回は、あくまで自党の支持を拡大させるために選挙応援などスタッフとして選挙戦をサポートしていました。佐藤さんはツイッターで自党の躍進を喜ぶとともに、他党から出馬していた女性候補の落選を残念がりました。
日本維新の会の所属議員が問題視
そして、佐藤さんは女性候補が比例順位で冷遇されていると指摘。名簿順位が下位になると、比例での復活は難しくなります。そうした比例順位での男女格差を指摘した佐藤さんのツイートですが、他党の候補者を応援したと見なされる事態に発展します。日本維新の会の所属議員が問題視し、すったもんだの末にツイートは削除され、ツイッターアカウントも削除しています。
佐藤さんが具体的な女性候補名をあげて「比例順位で冷遇されている」と指摘したツイートですが、この内容は不正確です。佐藤さんが名前をあげた候補者は、男性候補と同じ順位でした。惜敗率によって、比例復活できなかったにすぎません。
衆院選で女性の当選者は1割にも満たない

ツイート内容の是非は別の機会に譲るとして、佐藤さんが指摘したように国会議員の女性比率は低いのが現状です。今回、全立候補者のうち女性候補は17.7%。当選者に至っては9.7%という割合です。2017年に実施された前回の衆院選では、当選者の女性比率が10.1%でしたから、わずかながらとはいえ男女格差は拡大していることになります。
今回、当選者に占める女性の比率がもっとも低いのは自民党です。先述したように、旧来から男性議員が多く、現職議員を優先的に立候補させるという事情を踏まえれば、男性比率が高くなるのは当然の流れといえます。
写真撮影を固辞した高市早苗議員
そんな自民党ですが、衆院選に先立って実施された総裁選には4候補中2人が女性候補でした。自民党総裁選には、これまで小池百合子議員(当時)が出馬した過去がありますが、同時に2人の女性が立候補したことはありません。総裁選に立候補した女性のうち、高市早苗議員は2012年に自民党総務会長に就任。これは女性初の自民党総務会長でもありました。筆者は、月刊誌のインタビューで就任したばかりの高市総務会長に話を聞きに行ったことがあります。
総務会長室でひと通り取材が終わった後、同行していた編集者が「今後、女性初の総理を目指すという意気込みが伝わるような写真を撮りたい」と希望しました。室内には党旗と日本国旗が立てられていたので、それらの旗とともに高市政調会長を撮れば貫禄と風格を醸し出す写真になる。そう考え、ポーズをお願いしました。
しかし、高市政調会長は固辞。はっきりとした理由は聞けませんでしたが、インタビュー中の言動から察するに、年配の男性議員に配慮したのではないかと感じました。仮に、男性の政調会長だったら、快諾してくれたははずです。
女性議員だったから受けた仕打ち

三原議員は厚生労働副大臣という立場もあり、受動喫煙の防止対策に力を入れています。が、党内の説明会で自民党の男性議員から大きな反発を受けました。もし、男性議員の説明だったら、同様の対応になったのか疑問が残ります。
三原議員は、先の総裁選ではリベラルと見られていた野田聖子候補の推薦人代表として立ち回りました。その際は、保守的な支持者から批判を受けました。これも、女性議員だったから受けた仕打ちという気がしてなりません。
ジェンダー平等政策を掲げた立憲民主党
立憲民主党は民主党時代から選択制夫婦別姓を推進し、衆院選でもジェンダー平等を掲げました。そうした理由から、保守的な考えを持つ有権者から強く反発される傾向にあります。とりわけ、女性議員はその風当たりが強いようです。例えば、2016年に蓮舫議員が民進党代表に就任すると、二重国籍疑惑が浮上。対応に追われました。それが尾を引き、2017年の東京都議選は大敗北。引責辞任しています。
山尾志桜里議員(当時)は、国会で「保育園落ちた、日本死ね」と題した匿名ブログを紹介して脚光を浴びました。そこから待機児童問題に奔走。そうした活躍ぶりが評価され、2016年の民進党結党時には政調会長に抜擢されました。
世間は女性議員の不倫には厳しい?
しかし、直後に山尾議員に不倫報道が出ます。不倫を週刊誌にすっぱ抜かれる男性議員は少なくありませんが、女性議員と比べて党内処分は甘く、世間の目も寛容です。女性議員の不倫には厳しい傾向があります。女性に対する風当たりの強さは、与野党を問いません。また、立場の高低も関係がないようです。2017年の衆議院議員選挙では、小池百合子都知事が希望の党を結成。自身は出馬しませんでしたが、将来の女性総理と目されていたこともあり、将来的に国政に進出するのではないか?とテレビは持て囃しました。
そうした状況から、「都政に専念するべき」との声が都民から噴出。その結果、衆院選で惨敗しています。敗戦後、小池都知事は「(都知事選や都議選の勝利で)ガラスの天井を破ったかなと思ったが、鉄の天井があることを改めて知った」と口にするなど、女性が政治家として活躍する難しさに触れています。
都政に専念してほしいのは当然だが…
現職の都知事に対して、都民が都政に専念してほしいという思いを抱くことは当然と言えば当然です。しかし、現職の知事や市長が特定の政党や特定の候補者を選挙で応援することだけをもって批判されるのは女性だけです。仮に、これが男性の政治家だったら起きなかった批判です。実際、今回の衆院選では、大阪府の吉村洋文知事が日本維新の会を応援するために全国を駆け回っています。吉村知事に対して「府政に専念しろ」という声は強く出ていません。
日本の政治はスタート地点にも立てていない
そうした状況を踏まえると、政治を取り巻く社会は男尊女卑の考え方が無意識ながら残っているといえます。この男尊女卑を少しずつ改善していくことが求められています。繰り返しになりますが、今回の衆院選で女性議員の比率は9.7%に下がりました。10人に1人以下という割合です。これは、明らかに低い数字と言わざるを得ません。
だからといって、「女性だから票を入れる」「女性だから当選しやすい」というような女性を優遇する社会をつくろうと言いたいわけではありません。政治分野の男女共同参画推進法は、「女性が政治に参加しやすい」社会を目指しているにすぎません。
日本の政治は、そうしたスタート地点にも立てていない状況です。
<取材・文・撮影/小川裕夫>
【小川裕夫】
フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。首相官邸で実施される首相会見にはフリーランスで唯一のカメラマンとしても参加し、官邸への出入りは10年超。著書に『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)などがある Twitter:@ogawahiro
(出典 news.nicovideo.jp)
![]() | 塩かるび 再生可能エネルギーへの転換を叫んで燃料費の高騰にあえぎ、移民を積極的に受け入れて治安が急速悪化、ジェンダーに理解ある態度示したらあらゆる発言が差別呼ばわりされる言葉狩り。先進国は世界の範たれって見栄を、人権を盾にする連中の裏で蠢く勢力がせせら笑って悪用してるぞ。 |
![]() | げすと 「女性を優遇しろと言ってるわけではありません。政治に参加しやすい社会を作ろうと言ってるのです」って最後数行でまとめてるけどさ、そこをどうやるかで記事かけよ。余計なことしか主張してねーじゃねーか |
![]() | きつねこ 当選者が1割未満で不満だったら「先ずは女性の立候補が増える様に努力(男女の候補者が凡そで5割ずつに成るくらいにする)」「既存の女性議員の悪質な印象を消す為に声を挙げる(悪質な女性議員を落選させる)」「男女関係無くまともな行動や発言が発信出来る様に自主的に議員活動を報告する」等色々あるよね そもそも女性の当選率が100%でも男女の立候補比に差が有り過ぎて…… |
![]() | おかゆ丼 「能力優秀・経験豊富=優秀」は成り立つが「女性=優秀」とは必ずしも成り立つとは言えないということをいい加減理解しろよ。同じ内容を何度も記事にすれば刷り込まれると思っているのか?違うよ、低次元な内容にウンザリして余計に反発するのですよ。まぁ、それも理解出来ていないからこその記事なのだろうけど。 |
![]() | taku417 不思議なもんで、逆に「男性の立候補者は全体の83パーセントで、獲得議席は90パーセント」って言うとそこまで多く感じない、むしろ誤差。そもそも全員当選しても全体の半分にも満たないってわかってる?増やしたいならまずマトモな弾を増やせよ。 |
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