(出典 ssl-stat.amebame.com)


何が本当なのかわからない!


1 ramune ★ :2020/08/06(木) 11:30:40.24

<「いくら国債を発行しても財政破綻しない」理論について、日本が実際に経験した財政破綻の事例から考える>
(中略)
戦争中の無謀な戦費調達によって日本の財政は完全に破綻。終戦によって財政問題が一気に表面化し、準ハイパーインフレが発生した。
最終的に政府は全ての銀行預金を封鎖して、国民から強制的に預金の大半を徴収する形で帳尻を合わせた。

近年、日本の財政が問題視されていることに対して、一部から「政府はいくら国債を発行しても財政破綻は起こらない」という意見が出ている。
政府が発行する国債は購入した国民から見れば資産であり、円建てで国債を発行している限り財政破綻は起こらないという理屈だ。

しかし、戦時中の国債発行はほぼ全額が日本円建てだったが、いとも簡単に財政は破綻し、日本円(旧円)は紙*となった。
この事実ひとつをとっても、自国建てであればいくら借金してもよいという話は嘘であることが分かる。

太平洋戦争の戦費総額(日中戦争含む)は、当時の国家予算(一般会計)の約280倍(インフレを考慮しても74倍)という途方もない金額であり、
戦費のほとんどを国債発行で賄ったことから、GDPに対する政府債務の比率は200%を突破した。

戦争中は物価統制によって見掛け上、インフレは存在しないことになっていたが、現実には深刻な物価上昇が起こっており、
終戦でそれが一気に表面化。開戦当時から55年までの14年間で物価は約180倍に高騰している。

現在の政府債務の対GDP比は戦時中と同水準

この状態になると、国民は銀行から一斉に預金を引き出し、価値が維持されるモノの購入に奔走するので、インフレが止められなくなる。
政府は銀行預金を強制的に封鎖し、預金を引き出せないようにした上で、
預金に対して高額の財産税(最大税率90%)を課すという非常手段に打って出た(預金封鎖と財産税)。
国民の財産の大半を奪い取るという形で日本政府は何とか事態を収拾した。

現時点での政府債務の対GDP比は200%を超え、戦時中とほぼ同水準となっている。
当時と今とでは日本経済の基礎体力が異なるので一概に比較はできないが、諸外国と比べても日本の財政が深刻であることは間違いない。

終戦後の例でも分かるように、自国通貨建てでも過度な政府債務を抱えれば財政は破綻する。
筆者は日本政府が現実に財政破綻する可能性は限りなく低いと考えているが、このまま財政が健全化されない場合、
徐々にインフレが進む可能性は高いとみている。

もし景気が回復しないなかで年率3%のインフレが続くと、金利が上がるので最終的に日本政府の利払い費用は年間30兆円を超える。
税収のほとんどが利払いに消え、年金や医療、公共事業、防衛費の維持が難しくなる。

一方、債務の額は10年間で実質的に25%減少するので、財政問題は解決に向かう。緩やかなインフレの場合、
多くの国民はその事実を認識できないので、気付かないうちに実質的な預金額が目減りしていく。

財政に魔法の杖はなく、政府の借金は何らかの形で埋め合わせる必要がある。確かに日本国債は国民から見れば資産だが、
インフレによってその価値が減価することで、事実上の増税が行われるというカラクリについて理解しておく必要があるだろう。

全文ソース
https://www.newsweekjapan.jp/kaya/2020/08/post-112_1.php


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